治療内容MEDICAL

外眼部の疾患

内反症(逆さまつげ)

まつげは本来、まぶたの縁から外側(眼球とは反対方向)へ自然にカールして眼球にあたらないようになっています。しかし、逆さまつげではまつげが何らかの原因で目の表面に接触した状態で、ゴロゴロした異物感や充血・めやにを生じたり、目に傷が生じたりします。当院では埋没法、皮膚切開法など、病状に合わせ日帰り手術が可能です。
お子さんの場合は、成長に伴って外に向いてくることが期待できるので、経過をみることが大半です。しかし、目の表面に傷が多くあると乱視を招くことがあり、それにより視力の発達を妨げると弱視の原因となることがあるので注意が必要です。

麦粒腫(ものもらい)

「ものもらい」や「めばちこ」とも呼ばれ、まぶたのふちの脂の腺や汗腺に細菌が感染し、炎症を起こした状態です。症状により抗菌点眼薬や眼軟膏が用いられます。症状が強い場合は内服薬を用いる場合があります。適切な治療をすれば、通常は数日で治癒します。化膿が悪化してしまった場合は、切開により膿の排出を必要とする場合があります。

霰粒腫

まぶたの中に固いしこりができた状態です。マイボーム腺(脂の線)の出口がつまり、その中に粥状の分泌物がたまって肉芽腫を形成したものです。通常痛みは伴いません。自然に治癒する場合もあれば、大きくなったり、再発したりすることもあります。治らない場合は、手術で摘出することがあります。

流涙症(なみだ目)

目が潤んで涙がたまる状態をなみだ目、さらに目尻や目頭からこぼれ落ちる状態を流涙症(りゅうるいしょう)と言います。涙が邪魔で、かすみ目の原因になり、時に目尻や目頭の皮膚もかぶれ、非常に不快な症状を伴います。
大別すると、「分泌性流涙」と「導涙性流涙」とがあり、片方だけでなくそれらが合併している場合も多く見られます。

分泌性流涙

分泌性流涙はドライアイやアレルギーなどが関与し、目の表面が過敏になっていて刺激に対し過剰に反応して涙が分泌されてしまうことが原因です。

導涙性流涙

導涙性流涙は、目から鼻につながる涙の排泄路(涙道)がつまり、涙がのどに抜けなくなるために起こります。治療法は手術となります。涙管チューブ挿入術と涙嚢鼻腔吻合術(鼻の付け根にある涙嚢と鼻の中を直接つなぐバイパス手術)があります。状態に応じてより良い治療を選択していただけるように治療法をご提案しています。

翼状片

結膜(白目の部分)が、角膜(黒目)の鼻側に侵入してくるものを翼状片と呼びます。
これは結膜下の組織の異常増殖で悪性のものではありません。紫外線が病気の発生に関係しているといわれています。進行すると乱視が悪化し視力が低下するため、手術する必要があります。

眼窩脂肪ヘルニア

本来は眼球の奥にあるはずの脂肪組織が、目の前の方に出てきてしまっている状態です。
加齢が原因であることが多く、また両側性に耳上側に生じることが多いです。
違和感がある場合や、見た目が気になるような場合には手術適応となります。

結膜弛緩症

結膜弛緩症はその名の通り、白目にある結膜が弛緩した状態です。
加齢やコンタクトレンズの使用とともに増える傾向にあります。弛緩した結膜は、涙の流れや貯留、供給を阻害し、流涙症を生じます。また、ゴロゴロした異物感を感じたり、結膜の毛細血管が引っ張られ結膜下出血の原因にもなります。症状が悪化すると、手術治療でたるんでしまっている結膜を元にもどす必要があります。

眼瞼けいれん

両側のまぶたを開けにくくなる症状が特徴です。「目を開けているのが辛い」「まぶしい」といった症状や、「目が乾く」「ゴロゴロした異物感」といったドライアイ症状を伴う場合もあります。治療法としては、眼周囲の皮膚にボツリヌス毒素Aを製剤にしたものを少量注射して、目をつぶる力を弱めます。
一方、まぶたがピクピクとけいれんしている状態を眼瞼ミオキニアと言います。まぶたにある眼輪筋という筋肉が攣縮(れんしゅく)している状態です。通常片目だけに生じ、睡眠不足や肉体的精神的疲労、ストレスなどによって起きると考えられています。数分から数時間で自然に軽快することが多く、休息や睡眠により改善します。